障害年金の基礎知識
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障害年金の種類
公的年金の種類は「老齢年金」「遺族年金」「障害年金」の3つ
日本に住む20歳以上60歳未満の人は、公的年金制度に必ず加入します。
年金というと老後の生活のために受け取るものだと思いがちですが、実は3つの目的のために公的年金制度に加入しているのです。
- 【老齢年金】原則65歳以上になったとき
- 【遺族年金】一家の働き手が亡くなったとき
- 【障害年金】病気やケガで障害が残り、働けなくなったとき(または仕事が制限されるとき)
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがある
年金制度は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金ともいいます)」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。
つまり、会社員や公務員の人は、2つの年金制度に加入していることになります。
障害年金は、初診日に加入していた年金制度が国民年金であれば「障害基礎年金」、厚生年金であれば「障害厚生年金」を請求します。
障害基礎年金には1級・2級があり、障害厚生年金には1級・2級・3級(障害手当金もあり)があります。3級は障害厚生年金のみ請求が可能なため、いつ、どの年金制度に加入していたかを調べることがとても大切になります。
障害年金でもらえるお金
障害基礎年金(国民年金)は1級と2級があります。
障害基礎年金の支給額
障害の程度 | 障害基礎年金 | 子の加算 |
---|---|---|
1級 | 1,020,000円/年 (85,000円/月) |
1人目・2人目の子は1人につき234,800円/年 3人目以降78,300円/年 |
2級 | 816,000円/年 (68,000円/月) |
1人目・2人目の子は1人につき234,800円/年 3人目以降78,300円/年 |
(令和6年度額)
・加算の対象となるのは、18歳到達年度の末日(3月31日)までの子か、20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子です。
障害厚生年金は1級と2級と3級があります。
障害厚生年金の支給額
障害の程度 | 障害厚生年金 | 配偶者の加算 |
---|---|---|
1級 | 報酬比例の年金額×1.25 | 配偶者の加給年金234,800円/年 |
2級 | 報酬比例の年金額 | 配偶者の加給年金234,800円/年 |
3級 | 報酬比例の年金額 (最低保障額612,000円/年、 51,000円/月) |
なし |
障害手当金 (一時金) |
報酬比例の年金額×2 (最低保障額1,224,000円/年) |
なし |
(令和6年度額)
・障害厚生年金の1級または2級をもらえる時は、障害基礎年金も併せて支給されます。
・障害厚生年金の額は、「報酬比例の年金額」となります。報酬比例の年金額とは、厚生年金に加入していた期間の長さ、給与の額(払っていた保険料の額)などで異なります。
・加算の対象となるのは、65歳未満の配偶者です。
厚生年金に加入していた人には障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給される2階建ての構造となっており、さらに障害の程度が重いほど受ける年金額が多くなる仕組みになっています。
障害年金認定の3つの条件
加入要件
原則として障害の原因となった病気やケガの初診日が、年金制度の被保険者期間にあたること。
具体的には初診日が以下の期間内にあることが必要です。
- 国民年金の被保険者期間
- 厚生年金の被保険者期間
- 国民年金の被保険者となる前の期間(20歳未満)
「初診日」とは、障害の原因となった傷病(病気やケガ)につき、はじめて医師または歯科医師の診療を受けた日です。
保険料納付要件
- 年金保険料を一定期間納付していること。
- 具体的には①か②のいずれかを満たしている必要があります。
保険料の納付要件は、初診日の前日においてどの程度納付できているかで診断します。
①全体の3分の2以上を納付していること(3分の2要件)初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」と「保険料納付猶予期間」を合わせた期間が3分の2以上であること。
②直近1年間に未納がないこと(直近1年要件)初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
※初診日において65歳未満であり、初診日が令和8年4月1日以前の場合。
障害程度要件
障害の状態であること- 障害認定日または20歳に達したときに、障害年金の基準に定める程度の障害の状態であること
もしくは障害認定日に障害の状態が軽くても、その後症状が重くなり障害年金の基準に定める程度の障害の状態となったこと
「障害認定日」とは、障害の程度の認定をする日のことです。
初診日から1年6か月を経過した日、またはそれよりも早く傷病が治った場合(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態も含む)はその日になります。
障害認定日にはまだ障害年金の基準に定める程度の障害状態でなかったが、その後症状が悪化して障害の状態になった場合は、その時点からの請求になります。
障害年金の対象となる傷病
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【目】
白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変性症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など
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【聴覚】
メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など
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【肢体】
重症筋無力症、関節リウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節 など
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【脳】
脳卒中、脳出血 、脳梗塞 など
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【精神】
統合失調症、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、知的障害 など
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【呼吸器】
気管支ぜん息、肺線維症、肺結核 など
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【心臓、高血圧】
狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症 など
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【腎疾患、肝疾患、糖尿病】
慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など
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【その他】
悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、慢性疲労症候群、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病 など
障害認定基準
症状別に障害認定基準をご覧いただけます